給湯器の種類と特徴について。それぞれの違いを知って賢く選ぼう
2020/08/03 給湯器給湯器は、熱源や給湯方法によって数種類に分けられます。最近では環境や家計に優しい『エコ給湯器』や『ハイブリッド給湯器』が登場し、選択肢はさらに多くなりました。
この記事では、各給湯器の特徴や、国内で人気の給湯器メーカーを紹介します。
給湯器の種類と特徴
家庭で使用する給湯器の熱源は、ガス・電気・石油の3種類が基本です。給湯器を取り付ける際は、それぞれの特徴や注意点などを把握しておきましょう。
ガス給湯器
『ガス給湯器』は最も普及しているタイプの一つで、都市ガスやプロパンガスが燃料です。
初期費用が安く、寿命を迎えるまで故障が少ないのがメリットでしょう。給湯する力も高く、1階に取り付けた給湯器で2階、3階の浴槽のお湯張りができるタイプもあります。
一方で、運転音が大きい、冬場は配管が凍る、ランニングコストがやや高いといったデメリットもあることを覚えておきましょう。
電気給湯器
『電気給湯器』は、電気を熱源にしてお湯を沸かすタイプです。貯湯タンクに沸かしたお湯を蓄えて使用するのが一般的で、二つに大別されます。
一つは『電熱ヒーター式』というもので、電気ヒーターでお湯を沸かすタイプです。もう一つは、ヒートポンプで大気中の熱を熱交換器に集めて高温にし、水に伝えてお湯を沸かす『熱交換式』です。
電気給湯器のメリットは、ランニングコストが安く済むことでしょう。電気代が安くなる夜間電力を利用してまとめて沸かしておけば、光熱費の節約につながります。
また、ガス給湯器は燃焼時に二酸化炭素を発生させますが、電気給湯器は火を使わないので環境に優しく、大きな騒音もありません。
一方で、タンクとヒートポンプユニットを設置するスペースを確保する必要があります。
石油給湯器
『石油給湯器』の燃料は『灯油』で、貯湯にタンクに溜めた水を沸かして使用します。給湯力が高く、ランニングコストがあまりかからない点がメリットでしょう。
デメリットは、灯油燃焼時の排気臭がする、作動時の騒音が大きい、原油価格の変動を受けやすいなどが挙げられます。
なお、住んでいる地域の『火災予防条例』により、家庭で貯蔵できる灯油の量が定められていることも覚えておきましょう。
その他
これまで紹介したほかにも、以下のような給湯器があります。
- ハイブリッド給湯器
- 暖房機能付き給湯器
- エコ給湯器
一つ目の『ハイブリッド給湯器』は、用途に応じて電気とガスを組み合わせて使用できるタイプです。光熱費やランニングコストが節約できるのが魅力でしょう。
二つ目の『暖房機能付き給湯器』は、沸かしたお湯が床下のパイプを伝い、床および室内を温める機能を持ったタイプです。体にも経済的にも優しい点が注目されています。
三つ目の『エコ給湯器』は、環境や家計に配慮した高効率なタイプです。『エコキュート(電気式)』『エコジョーンズ(ガス式)』『エコフィール(石油式)』などが挙げられます。
給湯システムで分けると二つ
上記では、『熱源に何を利用するか』で給湯器をタイプ分けしましたが、『給湯方法』で見れば、大きく二つのタイプに分けられます。
瞬時に湯を沸かす、瞬間式
『瞬間式』は給湯栓を開くと同時に火がつき、瞬時にお湯が温まる仕組みを指します。ガス給湯器や石油給湯器は、瞬間式が一般的です。
必要なときに必要な分だけ温められ、湯切れしないのがメリットでしょう。貯湯式のように大きなタンクは不要ですが、まとまった電気容量を確保する必要があります。
貯めて沸かす、貯湯式
『貯湯式』は、電気代が安い深夜などにお湯をまとめて沸かし、タンクに溜めて置く方式です。
ヒーター容量が小さいため、ランニングコストは低いですが、必要な量のお湯を貯めておけるスペースを確保しなければなりません。
タンクが密閉されている構造の『密閉式』と、湯面が大気に開放されている『開放式』の二つのタイプがあります。
これからの主流はエコジョーズ給湯器に
最近は、環境と家計に配慮した『エコジョーズ給湯器』が注目を集めています。従来の給湯器との違いはどこにあるのでしょうか?
環境だけでなく、家計にもやさしい
『エコジョーズ給湯器』は瞬間式のガス給湯器で、『潜熱回収型給湯器』とも言われています。
従来のガス給湯器は、熱効率が80%で、排気熱の20%はロスとして捨てられていました。しかし、エコジョーンズは排気熱を利用しているため、少ないガス消費量で効率よくお湯を温められるのです。
その結果、給湯熱効率は95%に向上し、二酸化炭素の排出量も約11%ほどカットされています。
給湯器メーカーはどこがおすすめ?
日本における給湯器のメーカーといえば、リンナイ・ノーリツ・パロマ・パーパスが有名です。その中でも『リンナイ』と『ノーリツ』は、給湯器2大メーカーとして国内トップシェアを誇ります。
給湯器2大メーカー、リンナイとノーリツ
『リンナイ』と『ノーリツ』は規模や実績、アフターサービスのよさに定評があり、2社で国内業界シェアの80%以上を占めています。
両者を比較しても、給湯器の性能や希望小売価格には大きな差はありません。
『リンナイ』はガス機器の老舗メーカーで、給湯器の業界シェア率は42%です。マンションなどの集合住宅の販売シェア率が高く、充実した保証内容や大きくて使いやすいリモコン画面が特徴です。
一方の『ノーリツ』は住宅設備の総合メーカーで、瞬間貯湯式給湯器を日本で初めて開発した会社として知られています。給湯器の業界シェア率は40%で、特に戸建住宅で好まれる傾向があります。
環境省が推進する『エコファースト制度』の認証を受けたメーカーなので、環境重視の人には特におすすめです。
まとめ
給湯器は熱源の違いや給湯方法によっていくつか種類があり、最近は環境や家計に配慮したタイプが人気です。しかし、ランニングコストだけに目を奪われると、思わぬ失敗をする可能性もあります。
給湯器を選ぶ際は、住居環境や生活スタイルに合っているかを考慮することが大切です。さまざまなメーカーの製品を比較し、ぴったりの給湯器を探して快適に過ごしましょう。

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